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東海道本線を鈍行列車で駆け抜ける

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私は乗り鉄という職業柄、青春18きっぷを使うのは珍しいことではない。青春18きっぷが使えるのは全国のJR線の普通・快速列車のみである。

また、関東在住という都合上西日本へ向かう場合はほとんどの場合が東海道本線を使うことになる。そこで今回は東海道本線(以下東海道線)で西に向かう場合の感想を述べたい。

 簡単に東海道線について説明しておこう。

東海道線は東京駅から神戸駅間の589.5kmを結び、横浜・静岡・名古屋・京都・大阪など太平洋ベルトの大都市を通る日本屈指の幹線である。この他にも貨物線や支線も東海道線に含まれるが、ここでは一般的に東海道線と呼ばれる東京-神戸間だけにとどめておこう。また東京駅から北には東北本線(宇都宮線)が、神戸駅からは山陽本線(神戸線)と接続している。

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それでは、早速出発しよう。

 

第1区:東京駅~熱海駅(距離:104.6km)

全ての始まりは東京駅。(私の場合は横浜在住なので大抵は横浜駅から始まるのだが。)以前は東海道線の殆どの列車が東京駅始発だったが、東北本線と接続する上野東京ラインが開通したことにより、高崎線の高崎・籠原宇都宮線(東北本線)の宇都宮・小金井からの列車が増え、東京駅は一つの経由地となっている。

熱海駅まではJR東日本の管轄であり、東海道線の普通・快速列車にはE231系E233系が当てられている。大抵10両編成か15両編成で運行するが、そのうち4・5号車の2両は2階建自由席グリーン車である。ほとんどの車両がロングシートであるが、先頭車や2,3両目はロングシートクロスシートを組み合わせたセミクロスシート車であることもある。

ロングシートというのは関東の通勤電車に多いおなじみのベンチのように長いシートであり、クロスシートというのは向かい合わせに設置されたボックスシートのことである。

 

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ロングシートクロスシートだとどちらが快適なのか?というのはよく議論される話題である。例えば、クロスシートの方がお弁当を食べたりしやすい。またでは車窓の景色を見やすいというのも利点である。しかし、混雑時には向かいに座っている人と膝を突き合わせないといけないため足元が狭くなるという欠点もある。

一方ロングシートの方は足を前に出すことができるという利点がある。(もちろん混雑時には不可能である。)しかしこちらは車窓を眺めるなどするのには適さない。

 

さて、この区間青春18きっぷ期間になると東京から離れる下り列車でも6時台の早い時間帯から混雑し、座れないこともある。(実際、先日名古屋に行くときに乗ったときは横浜から熱海まで立ちっぱなしだった。)

車窓の観点で特筆すべきところは、早川-根府川-真鶴間で相模湾沿いを走る区間だろうか。根府川駅は元日は初日の出を見る客で賑わい、初日の出を見るための臨時列車が運航される。

東京駅から熱海駅までの普通列車の所要時間は1時間45分~50分である。

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第2区熱海駅~浜松駅(152.5km)

 

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静岡県内の東海道線は「長い・キツい・つまらない」の三拍子揃った18きっぷユーザー泣かせの区間である。経験者ならほとんど口をそろえて「静岡県東海道線クソつらい」と言うだろう。ここで静岡県東海道線のつらさを解説しよう。

長い

静岡県内の東海道線の距離(熱海駅-新所原駅)は177.8kmでこれは東海道線全線の30.2%を占める距離である。しかもそのほとんどが全ての駅に停車する普通列車なので、体感的にも長く感じる。熱海→浜松駅間を走る普通列車の所要時間では2時間30分~50分程度である。

・キツい

この区間は211系電車や313系電車の3~6両編成で来る場合が多い。しかし、先述のように2時間を超える走行時間の列車であるのにも関わらずトイレの設備がない列車も少なくない。そしてオールロングシートである。また日中の3両編成の列車に至っては東京やその近郊に引けを取らない混雑っぷりであることが多い。静岡県は干されの区間だということが分かる。

つまらない

これは読んで字の如く車窓が単調でつまらないのである。ただし、沼津駅富士川駅間では晴れていれば富士山が時折見え、蒲原駅興津駅間では駿河湾が見える。でもそれぐらい。ただひたすら寝るだけになる、少なくとも私は大抵そうしている。

 

ただし、この地獄の区間を快適に通過する方法がない訳ではない。

それはホームライナー浜松3号(HL浜松)を使う方法である。

沼津を18時31分に出発するHL浜松3号に乗れば、途中富士・清水・静岡・藤枝・島田・菊川・掛川・袋井・磐田に停車するだけで他の駅は通過する。使用する車両は特急列車に使われる373系電車である。なお、HL浜松乗車の際は停車駅で発売する乗車整理券(320円)が必要である。空席があれば車内でも購入ができる。

またHL浜松は20時10分に浜松に到着するが20時12分に977M普通列車としてそのまま同じ車両が浜松を発車し、豊橋まで運転するというダイヤが設定されている。

HL浜松3号を使うのは快適に静岡県を横断するのに効果的だろう。(ちなみに私はまだこの方法については未経験です。できることなら実践してみたいです。)

 

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由比~興津間に位置する薩埵峠

 

 

第3区:浜松駅~豊橋駅(36.5km)

東海道線で西に向かうとほとんどの場合は浜松駅で豊橋方面の列車に乗り換えることになる。この区間は距離的にも短く、所要時間も35分程度である。

使用する車両は第2区と同じく211系電車や313系電車だが、転換クロスシート車の311系電車が来ることもある。311系が来たらラッキーだと思ったほうが良い。転換クロスシートとは背もたれの向きを変えることができるクロスシートのことである。たまに豊橋を抜けて大垣まで向かう列車もある。浜名湖が見える。

 

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 東海道線から見える浜名湖

 

第4区豊橋駅大垣駅(116.4km)

 豊橋駅からは転換クロスシート車の311系電車・313系電車の王国である。静岡県の魔境を抜けてきた勇者たちはここで息をつくことができる。本当に快適、そして速い。

18きっぷユーザーがお世話になるのは快速・新快速である。両者ともに若干の停車駅の違いはあるがほとんど差はないと考えた方がいい。豊橋駅大垣駅までの所要時間は1時間40分程度。名古屋駅のプラットホーム上できしめんを食べるのも良い。

 

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名古屋駅

 

第5区大垣駅米原駅(35.9km)

ここも第3区と同じく、殆どの列車が大垣~米原間を折り返す繋ぎの区間である。

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名古屋駅に入線する上りながら

大垣~米原の所要時間は35分程度。東京~大垣間の全席指定席の夜行快速列車「ムーンライトながら」が運行される春・夏・冬休みシーズンはながらから終着の大垣駅米原方面の列車に急いで乗り換えるいわゆる「大垣ダッシュ」という現象が見られる。

JR東海の管轄は米原の1つ前の醒ヶ井駅(さめがい)まででそこからはJR西日本の管轄となる。

 

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岐阜・滋賀県境の伊吹山

 

第6区米原駅神戸駅(143.6km)

先述のように米原駅からはJR西日本の管轄である。

ここで注意してもらいたいのは、米原駅での大垣方面からの列車と大阪・神戸方面の列車は乗り換え時間が短い点だ。この駅でも「米原ダッシュ」と呼ばれる現象が起きることが多い。

この区間を駆け抜けるのに使う列車は何と言っても「新快速」である。

豊橋~大垣の区間にも新快速があるという話をしたが、JR西日本の新快速は違う。最高速度は時速130kmでこれは山形新幹線秋田新幹線のようなミニ新幹線や特急列車とほぼ同等のレベルである。

なぜこのような列車が生まれたのかというと、JR西日本が管轄する京阪神地区は東海道線山陽線と並んで走る私鉄との競合が激しく、スピード面・サービス面ともに競争力を高めなくてはならなかったという事情からである。

この区間の新快速・快速は223系電車・225系電車のオール転換クロスシート車で運行される。

JR西日本の新快速・快速は速くて快適なので18きっぷユーザーには優しい区間である。

また米原駅神戸駅までの新快速の所要時間は1時間50分、快速は2時間10分である。

またほとんどの列車が山陽本線赤穂線を直通し、姫路・相生・播州赤穂まで行く。

 

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神戸港


・おわりに

非常に大ざっぱに東海道線を駆け抜けてきましたが、いかがでしたか?

身も蓋もないことを申し上げますが、余程青春18きっぷを使いたい!という事情がおありでないのなら新幹線を使うことを強くおすすめします。新幹線は速くて快適で素晴らしい乗り物です。18きっぷの旅で最も気が付く点はそこです。新幹線は走る文明です、偉大です。

最後にこれだけは伝えたいのは、書店でよく目にする「青春18きっぷで旅する絶景旅」のような文言の雑誌、あれはあまり信用しない方がいい。