今年も距離感覚の狂うシーズンこと青春18きっぷのシーズンがやってきた。
今回の任務"ミッション"は単純、東海道本線を名古屋まで往復するだけである。なお、今回は珍しく同行者(従兄弟:14)との2人での遠征となった。
・1日目(8月10日)
横浜駅6:13発の普通沼津行に乗車し、三島始発の普通浜松行に乗り換え静岡県を通り抜ける。しかしながら静岡県内の東海道線は恐ろしく長く感じて精神的にも肉体的にもキツく感じるのはいつものことである。
ここで降りたのは人気ラーメン店の「豚骨大岩亭」の豚骨ラーメンを食べるためである。
12時40分頃に店に到着したが、私が並ぼうとした目前にして「スープ切れ」と告げられてしまいあえなく撤退。どうやら一度に作ることのできるラーメンの量が少ないらしく、限られているそうだ。残念だったがまたの機会に持ち越しとなった。
東刈谷からまた下り電車に乗って名古屋に向かう。
13時前に名古屋駅に到着。感覚的に毎年2,3度は名古屋駅に来ている気がするのだが、実際今年は3月以来これで2回目である。お盆の時期であるからか人は多い。
台湾ラーメンは名古屋の今池に本店がある「味仙」という中華料理店が発祥のラーメンである。ニラ・長ネギ・豚挽き肉・モヤシを唐辛子で炒め、醤油ベースのスープに入れて食べるラーメンでニンニクをたくさん入れることも特徴である。
今では名古屋を中心として東海圏の中華料理店やラーメン店ではメジャーなラーメンとなっていて、東京の神田にも最近味仙の系列店がオープンし、全国的な人気を博している。
私は昨年に名古屋に来たときに今池本店でこの台湾ラーメンを食べた。本店は中国語が大声で飛び交う活気のある店で圧倒された思い出がある。
ラーメンは辛くて水なしでは食べられないが、暑気払いには丁度良い。
従兄弟氏は台湾丼(台湾飯)を注文。こちらもとても辛かったが美味しかったそうだ。
名古屋駅から名鉄線に乗り換え犬山に向かう。私が名鉄線に乗るのは今回が初めてである。
名鉄名古屋から準急電車と快速特急を乗り継いで40分程で犬山遊園駅に到着。
駅から15分程歩いて犬山城に到着。
犬山城の天守は日本に12箇所残っている現存天守の1つである。
1537年に織田信長の叔父である織田信康によって木之下城(同じ現在の犬山市に存在)から城を移して築かれたと言われている。豊臣秀吉と徳川家康・織田信雄(信長の次男)が戦った「小牧・長久手の戦い」では信雄が城主だった犬山城が落城して秀吉が入城したが、和睦を結んだため信雄側に返還された。
江戸時代に入ると尾張徳川家の重臣成瀬正成が1617年に拝領、この時期に現在の天守の姿になったという。以後幕末まで成瀬家が犬山城の城主を務めた。
天守特有の直角に近いくらいの急な階段を上って最上段まで登る。
川沿いの高台にあるので景色は抜群に良い。遠くには名古屋市街まで見渡すことができた。また風が入ってくるため夏場は心地が良い。高台から遠くまで望むことができ川に囲まれた場所であるので、城として防御するのには最適な場所だろう。
帰りは犬山駅から特別車に乗って名古屋に戻ることにした。
名鉄線は特急・快速特急には乗車券だけで乗ることのできる一般車の他に特別車を連結していて、距離に関わらず1人360円の特別車両券(ミューチケット)を購入すれば乗ることができる。
JR東日本の東海道線や宇都宮線などで走っている電車に連結されているグリーン車自由席の料金が770円~980円(平日)であるのと比較してもお得である。
市営地下鉄名城線の上前津駅で下車。市営地下鉄鶴舞線には「大須観音」という駅があるが、大須商店街へはこの上前津が最寄り駅である。
大須商店街は名古屋を代表する繁華街である。
元々は大須観音の門前町として栄え、戦前まではここには遊郭があり、映画館・劇場・演芸場が集まり栄えた。
戦後はバラック街から土産物店や映画館が徐々に作られ戦前のような賑わいが復活したが、その後は名古屋駅周辺や栄に百貨店や商業施設が開業したことにより衰退した。しかし1970年代になると家電店やパソコンショップを誘致、また地元大学の助教授・学生・若手商店主が中心となって「アクション大須」という大道芸イベントを実施してこれが成功するなどして商店街は再興。東京秋葉原・大阪日本橋と並んで日本三大電気街に指されるようになった。
商店街を歩いていると洋服店や電気店、ケバブや台湾スイーツを売る海外の料理店が多く並び、エキゾチックな雰囲気があって面白かった。東京で言うと秋葉原と御徒町と中野を合わせたような感じ。
赤門通・裏門前町通交差点にある全国的に珍しい自動車・歩行者一体型信号機
夕食は味噌カツ店「矢場とん」でロースとんかつ定食(1,188円)を注文。
味噌カツを食べるのは初めてだったので、名古屋独特の味噌の味を楽しみながら完食。おいしかったです。
夕食を食べた後、栄のホテルに1泊。
・2日目(8月11日)
この日は名古屋駅からあおなみ線に乗車し、金城ふ頭のリニア・鉄道館にまず向かった。
リニア・鉄道館はJR東海が運営している鉄道に関する博物館である。
私がここに来るのは2度目であるが、ここに来るのは従兄弟氏の要望であった。
リニア・鉄道館には日本で現存する唯一の蒸気動車ホジ6005形が展示されている。
「蒸気動車」とは車両に小型のボイラーを載せて蒸気機関で動く車両のことで現在の気動車(ディーゼルカー)の原型となった。この車両は今の関西本線で活躍したものなのだそうだ。
昼食は名古屋駅のホームにあるきしめん店でかきあげきしめんを注文。
かき揚げが揚げたてのものでカリカリしていて、非常に美味しかった。あっという間に麺が喉に吸い込まれていく感覚に陥った。ごちそうさまでした。
東海道線の上り電車に乗ってそろそろ名古屋ともお別れ。ちょっと寄り道として豊橋の手前の蒲郡で途中下車。
蒲郡市は人口80,075人(2018年4月1日現在)の愛知県下15番目の市である。
市名は蒲形村+西之郡村に由来する合成地名である。名産品は蒲郡みかんや織物であり、繊維ロープの生産量は日本一を誇る。
蒲郡駅から15分程歩くと、日本海に浮かぶ竹島…ではなく三河湾国定公園にされている竹島に着く。
三河湾に浮かぶこの竹島は標高約22m、周囲680m、面積1.9haの無人島である。
島の対岸とは400mの距離があり橋で結ばれている。
また島は全域が八百富神社(竹島弁天)の境内である。竹島弁天は日本七弁天のひとつとされ、平安時代後期に琵琶湖の竹生島からここに勧請して建立されたという。
島の周りを通る遊歩道があり、三河湾を見ながら散策することができる。なんだか江ノ島のような雰囲気だと感じた。江ノ島ほど大きくはなく、相模湾ほど海は汚くないのだが。個人的に愛知県に海という印象はそこまで大きく持っていなかったため、竹島に来てその印象が変わった。今度は渥美半島や伊良湖岬など三河地域の海岸エリアを攻めるのも悪くはないと思った。
蒲郡からは東海道線をひたすら東京方面へ向かって乗り続けるだけである。個人的に静岡県内の東海道線は行きより帰りの方が疲れるんだよなぁ…。そう思っていたら従兄弟氏は行きの方が疲れたと言っていたので人それぞれなんだろう。
21時過ぎに横浜駅に到着。今回もお疲れ様でした。
まだ青春18きっぷが1回分残っているので、来月にもまた遠征をする予定です。
それでは今回はこの辺で。