9.1に青春18きっぷが1回分残っていたため消費するために自宅圏から日帰りできる範囲でどこかに行こうと考え、会津方面に行くことにした。
横浜からはひたすら東北本線(宇都宮線)を北上するルートになる。
東北本線は東京駅から盛岡駅までの535.3kmを結ぶ路線である。東京駅から黒磯駅までの間は「宇都宮線」という名称が付けられている。
横浜 5:25発→上野 5:52着(上野東京ライン・高崎線普通高崎行)
上野 6:08発→小金井 7:31着(宇都宮線普通宇都宮行)
小金井で始発の黒磯行に乗り換える。
小金井-(宇都宮)-黒磯間の運行には211系電車が充てられていたが、2013年からは京葉線で使用されていた205系電車を改造した205系600番台という電車が充てられている。
小金井 7:41発→黒磯 8:56着(宇都宮線普通黒磯行)
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東京・宇都宮方面からやってくる電車はすべて黒磯駅止まりで、ここより北に向かうためには乗換えが必要になる。
その理由はこの黒磯で電車を動かしている電流の交流・直流が分かれるためである。
黒磯より南は直流電流(1,500V)で、黒磯より北は交流電流(20kV、50Hz)を用いている。
ちなみに私がこの時間の列車に乗ったのは正解だったことが後にTwitterを見ていて分かった。
というのもこの日(9.1)は宮城県で某アイドルグループ(乃●坂46)がライブを行うためそれに伴って青春18きっぷを持ったヲタク旅行者が大挙したことにより黒磯で2両編成の下り列車に乗れないヲタクが続発したというのだ。
18キッパーと乃木坂ライブ民が重なって黒磯駅が阿鼻叫喚。なお次の1時間後の新白河行きも2両なのでそれも全員乗車できるか不明な模様(3枚目も全員積み残し) pic.twitter.com/7tiuKrBnxU
— サヒミツ@C94つながる土木 (@sahimitu) 2018年9月1日
いやはや、奴等の民族大移動に巻き込まれていたかと思うと恐ろしい。
18きっぷシーズンに鈍行列車で移動するときは始発で行動することの重要性を再確認した。
黒磯 9:06発→新白河 9:31着(東北本線普通新白河行)
以前は黒磯駅から新白河駅以北まで直通する電車が走っていたのだが、2017年10月のダイヤ改正によって黒磯-新白河間の区間運転が始まりほとんどの電車が新白河止りとなった。
新白河 9:59発→郡山 10:38着(東北本線普通郡山行)
写真は701系電車。
郡山駅に到着。ここで東北本線から磐越西線に乗り換えて会津若松へと向かう。
磐越西線は福島県の郡山駅と新潟県の新津駅の間の175.6kmを結ぶ路線である。
私の乗った快速列車の後ろ2両には全席指定席の「フルーティアふくしま」というジョイフルトレインが連結されていた。「走るカフェ」をコンセプトにした車両で、福島県産の果物を使ったジュースやスイーツを楽しむことができる車両なのだそうだ。
列車は郡山駅を発車すると磐梯山を見ながら西へ走る。(このときは残念ながら曇っていたので車窓から磐梯山は見えなかった。)
翁島駅-広田駅間(いずれも快速列車は通過する)はカーブの激しい区間であった。
郡山 10:44発→会津若松 11:50着(磐越西線快速・フルーティアふくしま1号会津若松行)
横浜出発から6時間強で会津若松駅に到着。
若松駅到着時には結構な強さの雨が降っていて、折角来た分にはちょっと残念だった。
駅から歩いてほどなくして第一の目的地「ラーメン二郎会津若松駅前店」に到着。
「おまたせいつもの」といった感じの黄色い看板のラーメン店である。会津に来た理由の8割はここにある。いつものこと。待ちは私の前に3人。10分も待たずに着席することができた。
小ラーメン(750円)+しょうが(50円)を注文。コールはヤサイ増しアブラニンニク少な目。
麺量は二郎標準。ヤサイは程よく中ぐらいの湯で加減である。豚は醤油の染み込んだ食べ応えのあるものである。スープは乳化気味のもの。
「地方の二郎にはハズレがない」などと言われるが、この会津若松二郎にも大満足といったところであった。ここは特にヤサイがとても美味しく感じた。
ごちそうさまでした。
地方の二郎は残り札幌・新潟・京都を残すのみとなった。着実に二郎全店舗制覇の道へ進んでいることは事実である。
店を出て何処に向かうか途方に暮れていたら駅前に観光周遊路線バスを発見したので、取り敢えず乗り込むことにする。大人1人210円。
雨が降っていたのもあり雨でも観光出来そうな場所を探すためにバスのルートマップを見ていると「野口英世青春館前」というバス停を見つけたのでここで下車することにした。
ここは野口英世が幼少期に負った左手の怪我を手術した会陽医院跡である。
英世は手術がきっかけで医学に感銘を受けこの会陽医院で渡辺鼎から医学を学んだ。鼎はアメリカで医学を学び当初はサンフランシスコで開業したが父の死により帰国、1890年に会陽医院を開業した。
この建物の2階が博物館になっていて、1階は會津壱番館という喫茶店として営業している。青春館は2階の部屋に英世の生涯の開設やゆかりの品が展示されていた。
感想としては少し物足りない気がしたが入場料200円でこれはまぁ妥当かなと言ったところ。
青春館の近くに建っている野口英世像。
会津若松 14:14発→郡山 15:19着(磐越西線快速・フルーティアふくしま2号郡山行)
郡山 15:33発→白河 16:08着(東北本線普通新白河行)
新白河駅の一つ手前の白河駅で途中下車。白河駅の中心部に近いのはこの白河駅である。ちなみに新白河駅の住所は福島県西白河郡西郷村で自治体区分の「村」にある日本で唯一の新幹線停車駅である。
白河小峰城は結城親朝が1340~69年に小峰ヶ岡に城を構えたのが始まりで、1632年に江戸時代の初代白河藩主の丹羽長重が約4年かけて今の平山城に大改修した。その後は7家21代の城主の交代があったが1867年に最後の阿部氏が棚倉藩に移封された後、白河藩は幕領となり城郭は二本松丹羽氏の預かるところとなった。
戊辰戦争の最中1868年には奥羽越列藩同盟と新政府軍との激しい戦地となり、5月1日にはその大半が焼失し落城した。
また2006年には財団法人日本城郭協会の「日本100名城」に指定された。
三重櫓(実質的な天守)は入場無料。櫓の中はそこまで広い訳ではなく、最上階も外に出て眺めを見渡せるものではなく、窓に設けられた格子の隙間から景色を見ることができる構造だった。
他の有名な城に比べて大きい訳ではなく、復元天守ではあるが良いところではあった。
18きっぷで東北方面に向かう際は白河駅で途中下車してみるのも良いだろう。
白河 17:02発→新白河 17:06着(東北本線普通新白河行)
新白河 17:09発→豊原 17:18着(東北本線普通黒磯行)
「このまままっすぐ帰ってもまだ時間はあるし、ちょっとまた寄り道をしていくか…」なんて思い新白河-黒磯間の駅で途中下車をすることを決意。結局豊原駅で降りることにした。
位置情報共有サービスの「Foursquare」には「東北線の秘境駅」だという書き込みがあった。実際Google Mapで調べてみると周辺に目立った建物はほとんどないことが分かった。こういう駅に来るとなんだかぞくぞくしますね。
乗ってきた上り列車から降りた客は私だけだったが、程なくしてやってきた反対側の下り列車からは2,3人の高校生が降りてきた。
無人駅で駅舎は工事中であり、乗車駅証明書発行機のみが設置されていた。
さて、もう一度Google Mapを見ると駅の北西の方角に「矢の目ダム」というダムがあるのを発見。駅から徒歩で向かうことができそうだったので、そこに行くことにした。
駅を出て北西に歩く。当然であるが私以外に歩いている人はおらず、自動車も殆ど通らなかった。歩いて10分程で県道に出た。
県道をしばらく歩くと集落が現れた。
県道沿いに民家が点在し、草刈りをしている人も見えここで生活している人間がいることを伺わせた。とてもじゃないが自動車を持っていないと生活はできないだろう。
こんなところを余所者が歩いていたら不審者みたいに思われて怪しまれるんじゃないか…なんて考えながら足早に歩いた。
矢の目ダムの案内。この「SUP体験ツアー」というのは後に調べたところ、どうやら那須町がカヌーなどのスポーツの体験ツアーをこの矢の目ダムで行うことによって観光の材料にしようとしているらしいということが分かった。
道中このような古い看板が現れたのが時代を感じさせる。ちょっと廃墟に入り込んだような感覚である。
道が正しいかどうか不安になってきたところで矢の目ダムに到着。
1枚目の画像をTwitterでつぶやいたところ「Windowsみたい」という感想が返ってきたのだが、なるほど確かにWindows XPの壁紙のあの草原のような雰囲気がある。(ちなみにあの壁紙の画像はカリフォルニア州サンフランシスコ郊外に実際にある草原を撮影したものである。)
歩いていて突如現れたこの築堤を見たときは少し驚いた。階段で築堤を登ることができるので上まで登ってみる。
これが矢の目ダムの全景である。夕暮れ時に行ったこともあって少し不気味にすら感じた。
矢の目ダムは那珂川水系黒川の支流板敷川に建設された灌漑用のダムで栃木県が整備したもので、築堤の高さは29mあるそうだ。
私のような余程の物好きじゃないと駅からここへ徒歩では来ないだろうな…
1時間に1本しか列車が来ないのでちょっと巻きで駅へ戻った。
豊原 18:29発→黒磯 18:44着(東北本線普通黒磯行)
黒磯 18:49発→宇都宮 19:40着(東北本線普通宇都宮行)
宇都宮では私の大好きな正嗣という有名店の餃子をお土産で買っていこうと思い、駅から徒歩10分程のところにある本店へ向かったがなんと20:00迄しか店を開けないようで、私が到着した頃には店のシャッターが降りている状態だった、無念。(というより土曜日のくせに飲食店が20時前に閉めるってどういうことなんだよ…)
仕方がないので近くの餃子のお土産店で冷凍餃子を買い、帰途に着く。
宇都宮 20:24発→横浜 22:49着(宇都宮線・上野東京ライン・東海道線普通沼津行)
帰りはブルジョアジーを発動し、グリーン車に乗って横浜までの帰途に着いた。
途中並行する京浜東北線南浦和駅での旅客転落の影響で大宮駅で運転見合わせを受けて、18分遅れで横浜に到着した。
今夏の18きっぷ遠征は名古屋・会津のみだったので、あまり遠くに行けなかったのが悔いの残る点である。もうちょっと頑張りたかったなぁ。2018年ももう残り3割程しかないが、最後まで頑張りたい所存である。
それではこの辺で。