2019年12月28日から2泊3日の行程で青春18きっぷを使って北陸・関西方面を周ってきた。今回はその記録である。
1日目:横浜→福井
横浜線各駅停車 八王子行
菊名 5:24発→ 八王子 6:13着
中央本線普通 松本行
八王子 6:35発→松本 10:16着
八王子からの電車は登山客とみられる乗客が多かった。
2時間半以上乗り通す電車なので序盤からちょっとキツい展開だった。
大糸線は松本から豊科、信濃大町、白馬を経由して新潟県の糸魚川までを結ぶ路線である。途中の南小谷駅で管轄がJR東日本と西日本とで分かれ、南小谷から糸魚川の西日本管轄区間は非電化である。
松本 11:20発→南小谷 13:19着
2両編成の電車内は外国人のスキー・スノーボード客と地元客で混雑していて、外国人旅行客の大きなスーツケースが目立った。
信濃大町を過ぎてしばらくするといきなり車窓が真っ白になったので驚いた。
南小谷から糸魚川には増便バスを利用する。これは12月31日までの期間限定で増発されているバスで、鉄道の代行路線ということであるため鉄道のきっぷを持っている人はそのまま乗車することができる。
南小谷駅から乗車したが、バスの始発は白馬駅からであったため車内はこれまた外国人客で混雑していて、狭いバスの車内を占領するように巨大なスーツケースが置いてある環境で、50分ほとんどを立ち席で耐えねばならないのはつらかった。
南小谷から糸魚川までは深い山奥を蛇行する国道を通り、かなりの秘境を感じた。
糸魚川市は人口42,158人(2020年1月1日現在)の日本海に面する都市で、日本列島を南北に縦断するフォッサマグナ(大地溝帯)の西の縁である糸魚川-静岡構造線の北端である。また世界的にみて珍しいヒスイの産地として古くから知られた。
市街地で発生した2016年の大規模火災では100棟以上の家屋が被害を受けたことは記憶に新しい。
糸魚川から金沢までは、北陸新幹線の開業に伴ってJR北陸本線が第三セクターに移管された区間であるため、一部の特例を除き青春18きっぷが使えない。そのため別途にきっぷを購入して乗車した。
糸魚川 15:40発→泊 16:08着
鉄道会社名と路線名がかなりキラキラしていることは否めない。
直江津から泊の区間は電化されているものの、第三セクター移管されてからはコスト削減のためディーゼルカーで運行されている。
列車は親不知子不知と呼ばれる難所を通過する。ここは飛騨山脈の北端が日本海に突き出すような形で浸食されている地形で、古くから北陸道(越路)随一の難所として知られた。
名前の由来は、壇ノ浦の戦いで命を助けられ落人として越後国に暮らしていた平頼盛に会おうと妻子が京から向かうときに妻がこの地を越えるときに子どもを波にさらわれてしまった。そこで妻が「親不知 子はこの浦の波枕 越路の磯の 泡と消え行く」という歌を詠み嘆き悲しんだ、というエピソードからという説がある。
泊駅からはあいの風とやま鉄道線に乗り換えて富山方面に向かう。
泊駅では列車のATSを駆使して同一ホーム上に2つの編成を停車させて乗り換えをスムーズにしている。
あいの風とやま鉄道線普通 富山行
泊 16:20発→富山 17:05着
富山駅からは路面電車(富山地方鉄道市内軌道線3系統)に乗車する。
富山駅は改札口出ると同じ階ですぐに路面電車に乗り換えることのできる便利な構造になっている。
グランドプラザ前停留所で下車し、「西町大喜 西町本店」に入店する。
ブラックラーメン(並)+ライス 1000円
このブラックラーメンは黒い醤油ベースのスープに中太の麺とチャーシュー、ネギが入っているユニークな富山名物のラーメンである。
スープは塩気が強いので白ご飯がないと少しつらいかもしれないが、とても美味だった。
あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道線普通 金沢行
富山 18:42発→金沢 19:42着
北陸本線普通 福井行
金沢 20:09発→福井 21:24分着
福井県は私が本州で唯一足を踏み入れたことの無い都府県であった。これで私がまだ足を踏み入れていない県は四国・九州のみとなった。
この日は福井で下車し、ホテルに宿泊した。
2日目:福井→大阪
2日連続で朝4時半起床なのは流石に堪えるのだが、18きっぷ旅ではよくあることである。
福井 5:21発→敦賀 6:13着
小浜線は福井県の敦賀駅と京都府の東舞鶴駅を結ぶ路線で、沿線にはリアス式海岸で知られる若狭湾が続く地帯である。またこの若狭湾沿岸には原子力発電所が集中していることでも知られており、電車の車窓からも美浜原発の原子炉が見えた。
東舞鶴 8:56発→福知山 9:38着
福知山 10:04発→篠山口 11:10着
福知山から篠山口間は行き違い待ちの停車が多かったので遅く感じた。
篠山口 11:14発→尼崎 12:14着
篠山口駅からは複線となり、当駅から大阪方面は「宝塚線」という路線愛称が付いている。また宝塚線はJR西日本の京阪神近郊区間路線の愛称である「アーバンネットワーク」にも組み込まれている。
宝塚線は宝塚に近づくまではほとんど原野のようなところを走っているので本当に大阪方面に向かう電車なのかと不安になったほどだった。
尼崎駅で乗り換えて大阪方面へ向かった。この日は一日大阪で遊んで一泊した。
3日目:大阪→横浜
3日目の最初はまだ乗ったことがなかったJR東西線・片町線(学研都市線)からスタートした。
北新地 8:04発→木津 9:15着
JR東西線は尼崎から京橋まで大阪都心北部を結ぶ地下区間の路線で"JR"を含めて正式の路線名である。
片町線(学研都市線)は京橋と京都府の木津を結ぶ路線でJR東西線と直通している。片町線はかつては京橋駅の一つ隣の片町駅を起点としていたために名付けられた路線だが、1997年にJR東西線が開通し直通運転を開始したと同時に片町駅は廃止された。そのため現在では駅の案内等では「学研都市線」と表記され正式名称の片町線の名は殆ど使われていない。
学研都市線の快速電車は他のアーバンネットワークの路線と違ってロングシート車で運行されるので、転換クロスシートで移動し続けているとちょっとつらい。
木津 9:25発→加茂 9:31着
関西本線普通 亀山行
加茂 9:36→関 10:56着
関西本線の加茂-亀山間は2018年に乗車済みである。今回はこの列車の終着の亀山駅の1つ手前の関駅で下車した。
関駅から徒歩5分程の距離に関宿がある。
関宿は東海道の江戸から数えて47番目の宿場町で、三重県の北西端の鈴鹿山脈の麗に位置している。また、当地には飛鳥時代の壬申の乱の頃から伊勢鈴鹿関が置かれ交通の要所としても機能した。
関宿は1980年に「街並み保存会」が発足し旧宿場町の景観を保全する動きが強まった。同年に関町(現亀山市)では景観の保全条例が制定され、1984年には三重県で初めて国から重要伝統的建造物保存地区に指定された。
この日は雨が降っていて、見通しが悪かったのが残念だったのだが、晴れている日は鈴鹿山脈まで見えるという。また東海道の旧宿場町でかつて街並みが残されているところは少ないので関宿は貴重な存在だと思った。
銀行の支店や郵便局まで当時の宿場町の建物を模したつくりになっていて感動した。
関宿に立ち寄った後は名古屋方面に向かう。
関西本線普通 亀山行
関 11:59発→亀山 12:05着
関西本線快速 名古屋行
亀山 12:21発→名古屋 13:24着
名古屋 13:46発→大府 14:01着
大府 14:21発→武豊 14:53着
武豊線は大府から武豊を結ぶ路線で三河半島の北部を走っている。長らく非電化区間だったが2015年に全線が電化され313系電車によって運行されている。
今回武豊線を乗り通したため愛知県内のJR線は全て乗ったことになった。
武豊駅から徒歩15分程の場所には名鉄河和線の知多武豊駅がある。
JRでは連絡運輸を行っていないのでアナウンス等で名鉄線への乗換えは案内されない。
漢字1字+片仮名1文字という珍しい駅名であるが、これは駅東側の大字名の上ケに由来するものである。
上ケの由来は、付近がかつて存在した長尾城の城内居住区域でありここの農民が城を見上げたことにあるという説、また長尾村の氏神の武雄(たけお)神社があることから尊称として「上」を付けたという説があるようだ。
上ゲ15:31発→阿久比 15:45着
阿久比 15:47発’→金山 16:08着
金山からは東海道本線でひたすら横浜まで上り電車を乗り継ぐ。
金山 16:20発→豊橋 17:11着
東海道本線普通 浜松行
豊橋 17:23発→浜松 17:58着
東海道本線普通 熱海行
浜松 19:19発→熱海 22:50着
東海道線普通 東京行
熱海 22:09発→横浜 23:11着
今回の旅の行程はこれですべて終了である。
今回は大糸線、小浜線、福知山線、学研都市線、武豊線など乗ったことのない路線を全て乗り通すことができたので全国乗り潰しへの道に一歩近づけたような思いがした。また福井県に足を運ぶことによって本州の都府県をすべて訪問することができたのも嬉しかった。
次回は未踏の四国・九州地方に行きたい。
それでは今回はこの辺で。