今日は久し振りに、国立国会図書館に行ってきた。
国立国会図書館は国会法第百三十条及び国立国会図書館法第一条に基づく日本で唯一の国立図書館である。
国会法
第百三十条 議員の調査研究に資するため、別に定める法律により、国会に国立国会図書館を置く。
>e-gov法令検索 国会法
第一章 設立及び目的
第一条 この法律により国立国会図書館を設立し、この法律を国立国会図書館法と称する。
>e-gov法令検索 国立国会図書館法
国立国会図書館のサービスは
の3つである。
国立国会図書館法では国内で発行された図書、小冊子、逐次刊行物(雑誌や新聞、年鑑)、楽譜、地図、マイクロフィルム資料、CD-ROMやDVD-Rで発行される電子出版物などはすべて国会図書館に納めることが義務付けられている。
つまり、国会図書館にない本はないと言っても過言ではないのである。
国会図書館を利用するためには登録利用者カードが必要である。登録カードを作成できるのは18歳以上で、登録利用者カードがなくても一応、臨時のカードを発行して館内に入ることはできるが、各資料室にある開架の図書のみ閲覧が許可されるため、多数を占める閉架の資料を閲覧する場合は登録利用者カードが必須である。
ちなみに私は18歳になった年に国立国会図書館の利用登録をした。
登録費無料で、日本国内で刊行されたあらゆる出版物を閲覧できるのはかなり魅力的ではないだろうか?魅力的に違いない。
国立国会図書館は公共サービスの強さの極致だと感じる。
国立国会図書館は国会議事堂のすぐ隣にあり、地下鉄永田町駅2番出口が最も近い。国会図書館は本館と新館に分かれている。既に利用登録している人は本館2階の入口から入館する。初めて登録する人は新館入口から入館し、新規登録カウンターで登録申請を行う。
図書館内の資料の閲覧申請やコピーの申請は全て館内のPCからインターネット経由(OPAC)で行う。
資料の閲覧申し込みから受取りまでは15~30分程度かかる。資料の到着も上記のOPACから見ることができる。
私は今回初めて本館4階にある「地図室」に行った。
地図室では地図資料の受取り・返却ができるほか、開架資料として江戸時代から昭和、現代の1枚ものの地形図や都市図、住宅地図を閲覧することができる。
地図や地理が好きな人が行ったら長い時間楽しめる場所だと思った。
また私は初めて資料の「複写サービス」を利用した。
一般の図書館では利用者が自由にコピーを取ることができるのがふつうであるが、国会図書館では利用者がコピーの際に資料を過度に押し付けたり折り曲げたりすることで資料が破損するのを防ぐためにすべて申請により職員の手によってコピーを行うというシステムになっている。
私は今回は1枚ものの地図の複写サービスを利用した。
手順を説明すると、
- 資料の閲覧申請
- 資料を受取り、館内のPCで複写申請の用紙を印刷し必要事項を記入。
- 用紙を地図室内のカウンターに提出し、地図室からの持ち出しの手続き
- 本館2階の複写カウンターで複写申請
- 複写カウンターで原本とコピーを受取り、代金を支払う
- 地図室で資料返却の手続き
というものである。本館の2階と4階を往復するので少し煩わしいのではあるが、非常に膨大な量の資料を扱うというこの図書館の特殊性を考慮すれば致し方ないことだ。
今回コピーしたのは『滿洲五万分一圖哈爾濵八號ノ四 哈爾濵』である。
ご覧の通り昭和10年(1935年)に測量され昭和13年(1938年)に発行された地形図である。現在の地形図は国土交通省の国土地理院が作成しているが、戦前までは陸軍の司令組織である参謀本部の下の陸地測量部が作成していた。地図が軍事的なものとして重要視されていた社会情勢をよく表しているものである。
このように国立国会図書館では戦前の貴重な資料も誰でも閲覧することができる。
ご興味のある方は是非利用者登録をしに永田町まで足を運ばれてみてはいかがだろうか。
それでは今回はこの辺で。