SHIINBLOG

摩天楼

1か月以上ブログ更新をサボるのは久しぶりだと思う。お久しぶりです。(まぁツイッターの方は平常運転だけど…)

 この2020年において、ニュースの先頭を常に走り続けてきた新型コロナウイルスの流行も、日本では御存知の通り今月25日に緊急事態宣言が全国で解除され、さしずめ1クールのドラマでシーズン1が終わった雰囲気になっているような気がしないでもない。(政府が2月27日に全国の小中学校に臨時休校を要請してから起算するとほぼ3か月≒1クールといったところだろう。)

おそらくこのドラマのシーズン2は、遅かれ早かれまたもたらされる可能性が非常に大きいのだろう。余りにもリアルすぎるこのドラマに私たち振り回され続けているが、本当の終わりがいつ来るのかは誰にも分からない。

 

一昨日(28日)に「航空自衛隊ブルーインパルスが東京に飛来」というニュースが出た。

this.kiji.is

ブルーインパルスが東京に飛来するのは2014年の旧国立競技場解体前のイベント「SAYONARA国立」以来6年振りのことだという。しかもそれが明日(29日)だという発表である。

そして翌日の29日にブルーインパルスは東京都心の上空を2周し、都心では多くの人が空を見上げ、ブルーインパルスの編隊飛行を見守ったという。

 今回の飛行にあたって、防衛省は「新型コロナウイルスへの対応を続ける医療従事者に敬意を表すため」と説明している。そして新聞・テレビ等報道各社は病院の屋上で飛行を見守り歓声を上げる医療従事者や、道端で空を見上げる歩行者の写真を多く取り上げて報道している。

 

私は今回のブルーインパルスの飛行について、それに対して感動したり、勇気づけられたりした人のことを批判するつもりは全くない。さらに付け加えると医療従事者の方々や、自衛隊の方々を批判するつもりもない。彼らの努力は等しく報われるべきだと思う。

しかし私は今回の一件について手放しに賞賛する気持ちにはなれなかった。

確かに、東京の高層ビル群の上を颯爽と飛んで行くブルーインパルスの編隊はなかなか見られないものであるし、私は生で見ることはできなかったが写真や動画を見る限りとてもかっこよく見えた。実際に自分の目で見ていればさらに迫力のあるものして見えたと思う。

 

私はこの一件が一つの「イベント」として消費されることはとても恐ろしいことだと感じている。「自衛隊の飛行機の編隊が医療従事者に感謝の意を伝える」というのは確かに美しく聞こえるが、それだけで終わってはいけないと思う。だってこれで「終わり」な訳があろうはずがなく、いつこの新型コロナウイルスの流行が収束(終息)するのかは誰も分からないからである。

「緊急事態宣言が解除され、飛行機の編隊が曲芸飛行を行う」という一連のシーンは私にはドラマの最終回そのもののように感じられてしまった。

 

こんなことを言うと「自衛隊の人たちのことを馬鹿にしているのか」とか「医療に関わる人たちのことは敬っていないのか」なんて反論が来そうであるが、そこが難しいところで「医療従事者」と「自衛隊」という一般的に表立って批判しづらい立場の方々をステージに立たせることによって正当性を持たせようというところに根本的に疑問を感じるのである。

 

再三になるが、私は医療従事者の方々も自衛隊の方々も各々正義感と信念を持って日々働いている方ばかりだと思っている。はっきり言うと私が疑念を抱いているのは正に政府そのものだ。

 

そもそも昨日の今日でブルーインパルスを飛ばすなんて発表したのは随分スピード感のあることだと思ったが、まさかその場の思い付きでやったのではあるまい。ある程度時間をかけて自衛隊との間で調整をして発表し、飛行させたのは間違いないだろう。しかも、この、緊急事態宣言が全国で解除されて最初の週末の前の金曜日である。あまりにもタイミングがよすぎないか。

ちなみに、私の家には未だに政府から一律配布される2枚の布マスクも届いていないし、特別給付金の10万円の申込用紙も届いていない。まあこればかりは大都市だから遅れるのは致し方あるまいといったところはあるが。

 

軍事力を国内に誇示し国民感情を鼓舞するという政府宣伝の手法は、名前はここではあえて出さないが、日本の近所の国家がよくしている手段である。ちょっとそういうことも頭によぎってしまった。(何度も言うが、自衛隊を批判するものではない。)

 

2月26日にあるはずだったPerfumeの東京ドームライブを、政府の通達によって直前にして中止になり、そのときは思わず天を仰いだという話はブログにも書いた。私は今でもあのときの判断は正しかったと頭では思っているが、これは完全な私怨で感情論にすぎないが、一方頭の片隅ではどこか政府を憎んでいる節があるのは申し訳ないが事実である。(この話は死ぬまで続けると思う)

あのときからずっと考えていた。日本政府は本当に正しい方向に進んでいるのか。間違っていたとして、それは俺たちの責任なのか?それはすぐには分からない。なぜなら、このウイルス禍は地球上の誰も経験したことの無い未曾有の危機だから。

 

私は幼少期から日本は先進国で、世界に類を見ない程科学技術が進歩している国だと周囲の人間に言われていて、事実私もそうだと思っていたし、恐らく多くの日本に住む人が幼いころから漠然としていても似たような思いを抱いていたのだと思う。

実際日本の技術は現在でもあらゆる分野で高い水準を誇っている。しかしこの2020年、まだ1年の半分も経っていないのにあらゆる困難や課題が浮上してきた。2020年にもなって、地下鉄の窓は全開で、店からはトイレットペーパーが消えるという事態になることを誰が想像し得ただろうか?もう何が真実で何が虚構なのかが分からなくなってくるのも無理はないと思う。東京の摩天楼が消える日も近いのだろうか?

 

私には何が真実かが分かる教養も知識も力もない。しかし、世の中で信じられていること、起こっていることを疑うことはできる。あまり大きな声や力に流されないようにしていきたいと最近は強く感じている。

 

長い文章になってしまって申し訳ない。この駄文を最後まで読んでくださった方も、どうぞ御身体をご自愛ください。そして、来るかもしれない「シーズン2」に備えましょう。

 

それでは今回はこの辺で。

f:id:mineharu:20200530001556j:plain

恵比寿ガーデンプレイスにて(2019年8月6日)