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【徒歩】霞ヶ関駅から霞ケ関駅まで

去る11月3日、霞ヶ関から霞ケ関まで歩いてきました。

僕が何を言っているか分からない人もいるかも知れないので念のため説明すると、

 

「埼玉県川越市東武東上線の」霞ヶ関駅から

「東京都千代田区東京メトロの」霞ケ関駅まで

 

歩いてきました。

 

 

ちなみに駅名は東上線の方は小文字の「ヶ」なのに対して東京メトロの方は大文字の「ケ」です。(地名の方は埼玉県は大文字の「ケ」、千代田区は平仮名の「が」となってます…ややこしい。)

 

 なぜこんなことをしようかと思ったと申しますと、今年の9月頃にTwitterである方の「神奈川県の相模線入谷駅から、東京都台東区日比谷線入谷駅まで歩く」というツイートを見て、なんとなく興味を惹かれて自分もやってみようと考えたからに過ぎません。まあつまるところ、暇だったんです。

 

 学校で1限があるときよりも早起きして東武東上線に乗り込み、8時44分に霞ヶ関駅着。普段使っている東急東横線から線路1本でつながっているとはいえ、当方埼玉の川越なんてほとんど縁がありません。おそらく、東上線の駅で降りたのは初めてのことだと思います。

 

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朝は何もお腹に入れてこなかったので、何か食べねば…と思い駅前を見渡してみると、松屋を発見、すかさず入店。(というより、駅前に目立った店がそれぐらいしかなかった。)

 

思えば旅の始まりの朝は決まって牛丼を食べている気がする…そうしなくてはと自分で決めている訳ではないのですが。

 

牛丼大盛をかき込み、9時頃に霞ヶ関駅前を出発。

 

Google Mapには千代田区霞が関までは徒歩9時間というルート検索結果。これなら休憩時間を入れても19時前には着くか…。果たしてどうなるか。

 

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 県道に出るまで住宅街を抜けます。

 

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埼玉県道15号川越日高線に出ました。天気は快晴のため気持ちがいいです。さて、ここから川越市街方面へ向かいます。

 

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 入間川を越えます。

 

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川越市街地に入りました。なお、この段階で10時を回っていたため、「もう1時間経ったのか…」とこの時点から微かな焦りを感じていました。川越市街を過ぎると国道254号方面に抜け、東京都を目指して南下していきます。

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市街地を歩いていると、地方によくある「キリスト黒看板」が点在していて思わず写真を撮ってしまいました。割と好きなんですよね…これ。

 

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とうとう国道254号に入ります。この「池袋」の方向にひたすら歩きます。

 

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国道254号に入りました。ここから東京まではほとんど一本道なので、迷う必要はなくただひたすら歩き進めばいいだけです。

 

しかし、歩き進んでも思いの外川越市が長い…本当に方向が合っているのか若干不安になったりします。道路標識の「池袋」「成増」を見てなんとか合っていることを確認。

 

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この国道254号は典型的な地方の国道といった雰囲気がしました。道沿いに立ち並ぶファミレス、パチンコ店、自動車のディーラー、サラ金のキャッシングコーナー……東京の人間がイメージする「田舎」を具現化している様相です。

 

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やっとふじみ野市に入りました。まだまだこの時点では体力・気力ともに大丈夫でした。

 

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川越市とほぼ変わらない景色が続きます。道沿いに「ららぽーとふじみ野 この先1.7km」という看板があり、昼休憩に寄って行こうとちらりと考えました。が、Google Mapで検索してみるとこの国道254号からは大きく外れ、東上線の線路を跨がなくてはいけないらしく、ショックを受けました。あの手の看板を信用してはいけません。特に徒歩旅は。

 

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若干の空腹を感じながら三芳町に入りました。

 

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三芳町に入った途端に道が広くなり、歩道も歩きやすいものになりました。これはありがたいと思いつつ歩き進みます。

 

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ラブホテルの前の張り紙………

 

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ただ「池袋」だけを信じて歩きます。果たして「池袋」が本当にある場所なのか疑念さえ抱いてきました。馬鹿みたいに思えますが、歩いていると本当に果てしなく感じるんです。

 

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ちょっと横道にそれてこんな田舎道を歩いてみます。

 

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新座市に入りました。失礼な話ですが、新座市なんてこんなことをしていなかったら一生縁がなかったかもしれません。

 

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新座駅に到着しました。ここで餃子の王将に立ち寄り、昼休憩としました。時計を見ると14時前です。着実に東京都に近づいていることを実感しましたが、まだまだ行程の半分程といったところです。のんびり休んでいる訳にもいきません。先を急ぎます。

 

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昼休憩を終えて進み、野火止を通過しました。この辺りから体力的にもちょっとキツくなってきました。しかしここまで来てへたばる訳にもいきませんし、ふんばります。

 

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いいぞいいぞ、その調子だ。俺は池袋に辿り着くんだ。だんだんkmが短くなっていくのだけをモチベーションにして歩きます。

 

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陸上自衛隊朝霞駐屯地の前を通り、遂に埼玉県最後の和光市に入りました。なお、この標識の前には自衛隊広報センター(愛称:りっくんランド)があり、言わば自衛隊関連の博物館のようになっているそうです。興味を惹かれるところではありますが、今回はスルーすることにします。

 

ここで、一旦国道254号からそれて県道に入ります。途中コンビニに寄ってしばしの休憩を取りました。一応現在地から霞ケ関駅までの経路を検索すると徒歩で4時間となっています。現在時刻は15時半近く。これだと予定していた19時前より遅く着くことになります。これはちょっとペースを上げたいところ。気を取り直して進みます。

 

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やっと東京都に入れました。いや、ここまで非常に長かった。この成増の辺りまで来ると本格的に疲れてきます。しかし、戦いはここからでした。

 

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遠い。埼玉を歩いていたときと比べて、近くなったはずなのに東京に入った安心感が引き金になったのか池袋までの道のりが今までよりもとても長く感じます。成増から有楽町線に乗ればものの10分そこそこで着いてしまうのに。日も落ちてきてだんだん焦りも出てきます。

 

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這う這うの体で北池袋に辿りつきました。この界隈は美味しそうなラーメン屋が軒を連ねていてとても興味をそそられます。機会があれば吟味したいものです。

 

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池袋駅に着きました。ここまで来るともう気力・体力共に限界を感じてきました。下半身は最早痛すぎて言うことをききません。頭の中も空っぽになってきます。山手線の内側に入ればもうすぐだと自分を奮い立たせて、祝日の雑踏の中を通り抜けます。

 

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池袋界隈を過ぎると人もまばらです。豊島岡墓地の横を通り抜け江戸川橋を渡り神楽坂に抜けます。

 

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神楽坂もあまり立ち寄ることのない街です。漠然と、大人の街という印象があります。先を急ぎます。

 

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いよいよ外堀通りに出て三宅坂の交差点に差し掛かります。警察官以外は人っ子一人いない歩道にと対象的にライトを付けた自動車がひっきりなしに通りかかります。警察官に職務質問されないかビクビクしながら歩きます。

 

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国会議事堂前まで来ました。デモ隊のブラスバンドの音が聞こえてきます。ここを過ぎて警視庁前の交差点を曲がれば霞ヶ関駅はすぐそこです。

 

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霞ケ関駅に到着しました。この時点での時刻は19時28分。9時頃に埼玉県川越市霞ヶ関駅を出発したので、10時間半近くかけて辿り着いたことになります。本当に遠かった…達成感よりもここまでの疲れがどっと出てきました。やっと電車に乗れる。日比谷線に乗って家に帰ることにします。

 

20時半前に自宅に帰着。東横線で最寄り駅まで立ちっぱなしで行かざるを得なかったため、最寄り駅から自宅までの歩きの道のりが非常にしんどかったです。

 

この徒歩の旅を終えてみて、たまにはこんな変わった旅をしてみるのもいいのではないかとも思ったりしました。実際に歩いていく途中で景色が変わったりするのは鉄道やバスで移動するより面白いです。

 

それに加えて、江戸時代やそれより前に徒歩で旅をしていた人の健脚さには脱帽しました。いまでこそ舗装などの道路整備が進んでいますが、もっと道路状態が悪かった当時の人の旅の過酷さを思うとただただ尊敬します。

 

最終的な結論としては、徒歩旅は「当分の間は」やりたくないです。どうしても暇で自分の体力と気力に勝負を挑みたい方は、是非。