どうもこんにちは。
昨今の新型コロナウイルスの流行の影響により、当ブログの主なコンテンツとなっているおでかけの報告が困難になってしまったため私も意気消沈しております。
そういう訳で今回は、私が小中学生ぐらいまでに好きだった本をいくつか紹介したいと思います。
地下鉄のできるまで(みるずかん・かんじるずかん)
まずはこの本から。この本は自宅にはなかったが、小学校低学年のときに学級文庫に置いてあって暇があれば読んでいた本だった。
地下鉄の建設から完成の過程がイラストで描いてあって、とても楽しかったのを記憶している。
作者の加古里子の著作は祖父の影響で幼少期から多く読んでいて、絵本シリーズの『からすのぱんやさん』『どろぼうがっこう』や子ども向け科学絵本をよく読んでいた。
加古さんは残念ながら先日亡くなってしまったが、彼が生前持っていた子どもに対する眼差しには私は尊敬の念を抱いている。
アラマタ大辞典
博物学者や作家として知られ、よくテレビ番組にも出演されている荒俣宏の事典。これは両親からクリスマスプレゼントで貰ったものだと記憶している。
いわゆる「雑学辞典」的な内容で、生物学や物理学に関わることから中には笑ってしまいそうなぐらいくだらない話もあるが、当時の私は夢中になって読んだ。
怪人二十面相(少年探偵シリーズ)
以前もこのブログで江戸川乱歩について書いた。
私が小学生時代最もハマった小説といえばこの少年探偵シリーズだろう。
少年探偵シリーズは江戸川乱歩が少年向けに書いた推理小説シリーズで、御存知の通り乱歩が生み出した怪人二十面相と探偵明智小五郎は日本のミステリ小説の中でも最も有名なキャラクターとなった。
小学1年の頃に親に買ってもらった『怪人二十面相』をきっかけに次々に少年探偵シリーズの本を読みふけるようになり最終的に全巻を揃えるほど夢中になった。
現在でも江戸川乱歩は私の好きな作家のひとりである。
ちなみに全作ではないが、青空文庫でも江戸川乱歩作品を読むことができるのでご興味のある方は是非。(『怪人二十面相』や処女作の『二銭銅貨』も読めます。)
妄想銀行(星新一YAセレクション)
この「星新一YAセレクション」は近所の公共図書館のコーナーにまとめて置いてあったので手にとったのがきっかけで読み始めた。
星新一は小松左京などと並んで日本のSF小説の草分け的存在と呼ばれる作家である。星が得意にしているのは短編小説よりも短いショートショートと呼ばれる小説で、彼が生涯に発表したショートショートは1001編に及ぶ。
1編が5~6ページほどであることが多いので手軽に読めるのもよかったが、それよりも結末であっと驚かせる意外な結末で締めるという作風が彼の持ち味であるので私はその点に惹かれ、足繁く図書館に通ってこのシリーズを読み漁った。
私は、星新一の評価するべき点はその先見の明であると思う。
彼がショートショートを発表した年代は主に1960年代~70年代で、日本は高度経済成長期であった。
高度経済成長期の日本社会は科学の明るい側面を信じ、右肩上がりに伸びていく経済を頼りに突き進んでいった中、星は科学技術の落とし穴や人間の弱さ・愚かさをウィットに富んだショートショートで風刺していったのだと思う。
実際に今、星のショートショートを読んでいると現代の私たちにも通じるような話が出てくる。
「星新一のショートショートにありそう」という表現が定型文ように成立するのも彼の類まれなる発想力の賜物に他ならないと思う。
それでは今回はこの辺で。